川原田　淳（かわらだ　あつし）

印刷用ページを表示する 2023年5月1日更新

研究者紹介

川原田先生

所属： 保健福祉学部保健福祉学科作業療法学コース　職位：教授，三原学術情報センター長

学位：工学博士

研究室：県立広島大学三原キャンパス４４２４号室

E-mail：kawarada＠（＠の後にを付けて送信ください）

研究内容：https://researchmap.jp/read0007961

研究に関する自己ＰＲ

生体諸情報の無侵襲?無拘束?無意識計測手段や方法を考案するとともに，その研究基盤となる各種生体物性の基礎データの測定，収集，解析を行っています。また，これらの知見から新しい健康維持?増進のための支援技術を開発しています。

研究テーマ

生体情報の無侵襲?無拘束計測法に関する研究，生体物性の計測と基礎的解明に関する研究，在宅健康管理のための計測技術（ホームヘルスモニタリング）に関する研究，熟睡度モニタの開発研究，新しいヘルスプロモーション支援技術の開発，在宅バーチャル言語訓練システムの開発

研究の特徴?内容

《生体情報の無侵襲?無拘束計測》生体機能の解明?解析や疾病などの早期発見?予防診断のためには，生体情報を長時間に渡り連続計測することが必要です。本研究ではその実現を目的として各種生体情報の無侵襲?無拘束計測手段や方法を考案するとともに，新しい生体計測技術の確立を目指しています。

《生体物性の計測》生体計測技術の開発のための生体組織の機械特性，電磁波特性や光学的特性などの生体物性における基礎データの測定，収集を行っています。

《在宅医療における計測技術》在宅健康管理（ホームヘルスモニタリング）システムは，在宅における健康状態を自動計測により記録するもので，言わば自宅に居ながらにして日々の健康管理を可能にする仕組みです。日常の健康状態を生活行動様式の中で無意識のうちに把握することを目的として，ベッド，浴槽，トイレなどの家庭用調度品の中に生体情報収集のためのセンサを取り付け，自動的に心身状態の記録や把握を行う健康モニタリング装置の開発を進めています。将来的には，本システムにより蓄積されたデータを定期健康診断や疾患の早期発見などのために利用できる仕組みづくりを地域•社会と連携して進めたいと考えています。

受験を検討している方々へ

各種生体情報を無意識的に収集し，記録?保存を行う完全自動化された健康自動計測システムの設計?試作や性能評価などについて検討を行っています。

具体的には，トイレのスペースを利用して，体重や排泄量（尿の量）を自動的に測定が可能であることを確認しました。一般に排尿量は体重と比較して数パーセントの量ですので，通常の体重計で測定することは非常に難しいのですが，高精度の重量計を用いたトイレ使用時の体重測定を行い，体重変化から排尿開始点，終了点を自動認識し，その排尿パターンから排尿量を決定します。

また，入浴中における心機能の無意識モニタリングのために浴槽内に心電図電極を設置し，入浴中における良好かつ安定な心電図波形の測定が可能となります。入浴中は，湯水から大きく身体をはみ出さないような注意は必要ですが，多少の体動や浴槽の中で洗顔等を行っても，心電図波形の大きな乱れもなく，良好な心電図測定が可能なことを確認しています。

さらに，導電性繊維を織り込んだシーツ（布帛電極）を頭部と足部に対して使用し，就寝中の心電図の収集を行います。睡眠中の姿勢や体動などによって心電図波形が乱されることもありますが，熟眠中は安定した心電図の検出が可能であり，睡眠中の大部分において安定した心電図の測定が可能となりました。

以上のように，本システムを使用してベッド，浴槽，トイレを利用した生体情報の無意識?自動計測を行い，在宅において健康状態の長期連続データの収集が可能となりました。本研究は，広範囲の応用分野が期待できますが，特に高齢者における健康管理のために非常に有用です。

連携協力を検討している方々へ/h3>

上記のベッド心電図測定装置を更に発展させたシステムとして，熟睡度モニタの開発を目指しています。これは就寝時の熟睡度（睡眠の質の高さ）を把握するため，睡眠中の心肺機能とともに身体の動きや寝返りなどによる体動を自動でかつ長時間計測するもので，自然な眠りの状態における心電図や呼吸曲線の計測を行うと同時に，安眠の程度を睡眠中の寝返りや身体の動き（体動率）から定量化するものです。

将来的には，本システムにより蓄積されたデータを定期健康診断や疾患の早期発見などのために利用できる仕組みづくりを地域•社会と連携して進めたいと考えています。